生命保険にはさまざまなタイプがありますが、大きく分けるとすれば掛け捨てタイプと貯蓄タイプがあります。
掛け捨てタイプは支払った保険料が返って来ない保険商品のことで、保険期間を一定期間に限っていることが普通です。
いわゆる定期保険はその典型的なものですが、ほかにも医療保険やがん保険とよばれる種類の一部にも、保険料が掛け捨てになるものが含まれています。
これに対して貯蓄タイプというのは、いざというときの保障と貯蓄の機能が合わさっている保険商品で、保険期間が一生涯となる終身タイプと、一定期間にとどまるものの両方があります。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、目的にあわせてどちらがよいかを検討することがたいせつです。
それとともに同じ貯蓄タイプのものであったとしても、商品によってその内容が大きく異なることがありますので、やはり選び方のポイントをおさえた上で最適なものを探す姿勢を忘れないようにしましょう。
貯蓄タイプの保険を選ぶにあたってまず重要になることは、やはり保障内容が目的に見合っているかどうかです。
生命保険に加入する目的は人それぞれのはずですが、たとえば子供の学費を確保するために加入する人もいれば、公的年金のほかに老後の暮らしを支える資金を確保する目的で加入する人もいるはずです。
同じ貯蓄タイプとはいっても、それぞれの目的にぴったりとした商品名でリリースされているはずですので、まずは商品名から適切なものを選び、そのなかで内容をシミュレーションしてみるのが効率的といえます。
より具体的には保険金額と払込期間のかねあいで設定することになりますが、保険金額が大きければそれだけいざというときの給付も、積み立てたものの受け取り額も大きくなるとはいえ、毎月の保険料の支払いが重すぎてかえって生活の負担になってしまうことも考えられます。
払込期間も同様であり、比較的自由に設定できる商品が多いものの、本来の生命保険加入の目的に照らしてみて、肝心のお金をいつ使うのかというライフステージを考えて決めることが必要です。
また貯蓄タイプの生命保険を選ぶにあたっては、返戻率の数字に着目する方法もあります。
返戻率というのは契約によって支払う保険料のトータルの金額に対して、実際に受け取ることができる保険金のトータルがどの程度の割合にあたるのかをパーセンテージで表現した数値のことをいいます。
もちろん貯蓄タイプの保険の場合、この返戻率が大きければ大きいほど、効率的に貯蓄できていることになります。
似たような保険商品であっても、返戻率を比較してみると実は大きな違いがあるケースもみられますので、具体的な数値で良しあしを判断することも有効です。
この返戻率は保険料を一括払いにするなどの工夫で上昇させることもできるようになっています。
通常であれば毎月、または毎年といった単位で保険料を支払うことになり、こつこつと資金を積み立てるイメージですが、そうではなくて一括にしてしまえば、最初は苦しくても受け取る金額、返戻率が高くなりますので、長い目でみたときにはメリットが大きいといえます。
もちろん一括での支払いに耐えられるだけの経済的な余裕がある場合に限定の方法ですので、家計と相談をした上で決めるべきです。
このように生命保険では加入する目的と貯蓄の効率性というふたつに焦点を当てて、よりよい保険商品を選ぶことが重要となります。
各保険会社でも顧客からの相談を専門的に受け付けるセクションを置いているのが普通ですので、迷った場合にはこのような選ぶ上でのポイントを踏まえた相談を気軽にしてみるのもよいといえます。
いくつかの設定で契約した場合に受け取れる金額などのシミュレーションもできますので、単に雰囲気だけで決めてしまうのではなく、数字をみて客観的に判断することも重要です。